伊勢河崎商人館 〒516-0009 三重県伊勢市河崎2-25-32 TEL&FAX 0596-22-4810

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商人館案内


伊勢河崎まちづくり衆の取り組み

先人の培った歴史文化を誇りに
「住みたくなる、住み続けられるまち」をめざし、
共育ともそだちのまちづくりを進めます。

伊勢河崎のまちづくりのきっかけ

昭和49年7月7日に伊勢をおそった集中豪雨。
勢田川沿いの町河崎に直接的な被害を与えることはなかったが、伊勢市の中心部が浸水したことで、勢田川の改修計画が持ち上がり、勢田川を1級河川に格上げし、川幅を広くする工事が提案され、勢田川右岸の川に沿った蔵や町家が取り壊されることとなった。

直接被害の無い自分たちの家が壊される―。家を守るために立退き反対運動がおこり、また同時に貴重な歴史的景観を守ろうと町並み保存運動が展開された。しかし結果的に右岸では町並みの100軒以上の蔵や町家がなくなってしまい、左岸には川の管理道路ができた。そのため、蔵に船を横付けしていた川沿いの景観は大きく様変わりしてしまった。

町並みの保全活動が町を見つめ直すことに繋がり、昭和54年には「伊勢河崎の歴史と文化を育てる会」を結成。土蔵を活用して開館した「河崎まちなみ館」を中心に、河崎の歴史や文化の継承、町並みの保存活動を行い、蔵を使った寄席を始めるなど歴史文化を活かした取り組みを展開した。この寄席は現在も伊勢河崎商人館で継続している。

その後、平成8年には河崎の蔵を保存活用する団体として、「伊勢河崎・蔵バンクの会」が結成され、町の方々に蔵の保存と活用を呼びかけると同時に、蔵が町の財産であることを訴えた。所有者と借主をつなぐ仲人事業を展開し、蔵や町家が保存再生される契機となった。

市民と行政の協働によるまちづくりのきっかけとなったのは、平成9年の市民参加型による「伊勢市都市マスタープラン」の策定によってである。その中で、勢田川を「歴史観光交流軸」とし、河崎を「歴史文化交流拠点」として位置づけ、その後の歴史文化を活かしたまちづくりへと発展した。

町並み保全型まちづくり活動により、空き家になっていた土蔵や町家が、蔵の飲食店や町家の美容室などに再生されるようになり、現在まで15棟以上の建物が保存活用されている。

伊勢河崎商人館の開館

伊勢河崎商人館は、江戸時代から300年以上続いてきた酒問屋(元小川酒店)を活用した、まちづくりの拠点施設である。NPO法人伊勢河崎まちづくり衆により、運営管理を行っている。

平成9年、蔵バンクの活動を通して江戸時代から続く小川酒店の去就が懸念され、自然と保存運動がおこり、水運で栄えた問屋街河崎の歴史文化を伝える貴重な文化遺産であるとして、それまで対立していた伊勢市に保存再生を働きかけた。
江戸時代からの代表的な商家の建物を残すことにより、河崎の歴史や当時の暮らしの記憶を伝えることができると、粘り強い話し合いにより、市が土地を購入し建物を修復するとの話に進む。交渉の過程で開館後の運営費や人件費などの負担は住民が責任を持って行なう確約を求められ、責任の所在を明確するために平成11年に特定非営利活動(NPO)法人を設立し、建物を残し、自分たちの手で運営を行うことを決意した。

市が平成13、14年の2ヵ年にわたり修復工事を行い、まちづくりの拠点施設として管理運営をNPO法人伊勢河崎まちづくり衆が行なう「公設民営施設」とし、平成14年8月25日に開館となった。

伊勢河崎商人館の設置目的としては
 1.歴史的建造物の保存・公開による文化的活用
 2.市の新たな交流拠点としての活用
 3.市民主体によるまちづくり活動の拠点としての活用
また、伊勢河崎商人館の12棟は、国の登録有形文化財に登録されている。

伊勢河崎商人館は河崎の伝統的な町並みを活かし、景観を次の世代に引き継ぐ役割と共に、河崎に住む人と訪れた人が交流する場として運営している。平成18年には伊勢市の指定管理施設に指定された。

活動方針

1.河崎地区の町並み保全活動
   ・河崎らしい歴史的景観の保全創出、町並み景観づくりの手引き書の作成
   ・景観重点地区指定に向けた景観まちづくり
2.河崎地区の歴史的空家・空蔵の保存活用事業
   ・伊勢河崎商人館整備を市に要請し、管理運営を担う。
   ・仲人事業としていくつかの再生活用事業に関わる。
   ・河崎町家のリノベーションまちづくりの展開
3.商いのまちを継承したまちづくり活動
   ・商人館まちなみ広場における「だいどこ市」の開催
   ・河崎のまちなみのにぎわい創出事業 「河崎商人市」の開催
4.伊勢河崎商人館の運営を核としたコミュニテイの醸成と共育ちの場の提供
   ・勢田川観光交流軸の歴史文化交流拠点としての役割を果たし、河崎地区のヘリテージセンターとして、
    また地域の皆さんと観光客の交流の場、絆づくりの場として地域コミュニティの活性化を図る活動。
5.河崎の歴史文化を育む勢田川を活かしたまちづくり
   ・勢田川流域NPOとの連携した勢田川流域の歴史文化を生かしたまちづくり。
   ・伊勢船型の木造船みずきの運行への協力

主な活動内容

河崎かわら版

伊勢河崎まちづくり衆が独自に発行している河崎まちづくりの情報版。毎月25日に5000枚(当初は6000枚)発行し、河崎と隣町の神久町に各戸配布のほか、河崎近郊の店舗、企業にご協賛いただき配布している。第1号は平成12年3月10日で現在188号発行している。

景観まちづくり活動

①町並み保全を核にした景観まちづくりの調査研究および実践をおこなっている。
 保存するには活用することであるとして、景観形成の手引きの作製と共に空き町屋、空き土蔵の保存再生を進めている。
②デザインによるまちづくり、河崎ブランドの構築
③景観まちづくりの調査事業

・河崎におけるまちづくりに関する調査研究(H12年度)
・全国都市再生モデル調査「歴史的まちなみ空町家・空土蔵」再生活用事業調査(H16年度)
・河崎文化の地域特性を活かした集客交流空間づくり推進事業(H16年度)
・「景観形成ガイドライン・ワークショップ」(H17年度)
・第30回全国町並みゼミ伊勢大会「テーマ~伝えよう心とかたちのまちなみ文化~」(H19年度) 
・河崎地区の景観区域内の重点地区指定についての素案の提案(H24年度)

蔵くら談義 蔵くら談義 蔵くら談義 蔵くら談義
空家・空蔵・空土蔵活用の例

まちづくりシンポジウム

「新・蔵くら談義」と名付けたシンポジウムを年1回行っている。毎回その時のテーマに基づき、まちづくりに関する活発な意見交換がなされ、河崎まちづくりにおけるさらなる学びの場となっている。
 第1回 平成14年9月 「新世紀の伊勢河崎まちづくり」
 第2回 平成15年8月 「私達の大切な町並みを守り、創り、育てるにはどうすればよいか」
 第3回 平成16年8月 「伝えようまちの誇り‐まちなみはみんなのもの‐」
 第4回 平成17年8月 「伊勢河崎のまちづくり・自律と自立に向けて」
 第5回 平成18年8月 「伊勢河崎のまちづくりの目指すもの
              ‐暮らしの形が魅力的なまちをつくり、町並み文化を育む‐」
 第6回 平成20年3月 「河崎学‐町の記憶に見る人とモノの魅力、町の魅力を今に生かす‐」
 第7回 平成21年3月 「海からみた伊勢の記憶をさぐる」
 第8回 平成22年8月 「伊勢河崎のまちづくり・町家の魅力発見
              ‐語り合おう伝統的町家の魅力-」
 第9回 平成23年8月 「未来につなごう河崎の暮らしと風景」
 第10回 平成24年8月 「みんなで語ろう伊勢河崎のまちづくり
               -伊勢河崎商人館開館10周年記念‐」
 第11回 平成26年2月 「河崎の町並みと暮らしのデザイン」

蔵くら談義 蔵くら談義
蔵くら談義の様子

町並みのにぎわいの創出

【河崎商人市の開催】
河崎本通りを中心に伝統的な蔵や町家がある江戸時代からの町並みで、河崎町民の方々をはじめ、多くの皆様と共に、「伊勢の台所」といわれた往時の賑わいを体験していただく市。
年に1回、10月第4日曜に開催。伊勢河崎商人館内では「伊勢のだいどこ市」同時開催

河崎商人市では河崎本通りの店に加えて、蔵や町家の軒先に物販・飲食それぞれのお店が出店。手づくりのお弁当・お菓子や野菜、干物など地元産物の食をはじめ、手づくり雑貨小物のお店・アンティーク雑貨やフリーマーケットのお店、河崎住民の方の出店など、多種多彩に並ぶ。

また市民の方々に参加いただく「河崎演芸場」、河崎ライブや、アート作品展示、造形ワークショップや手づくり体験、竹細工作品づくりなどの参加体験イベント、お芝居鑑賞や二胡などの演奏、茶室でのお琴の演奏や音を楽しむ催しなどがある。
また、河崎本通りをまわる「河崎まちあるきスタンプラリー」や着物でお越しいただいた方にプチプレゼントの「着物で河崎まちあるき」もある。

商人市
商人市

【伊勢のだいどこ市の開催】
伊勢河崎商人館で毎月第4日曜日に「伊勢のだいどこ市」開催
平成14年10月27日に第1回を開催。以後毎月開催。
月に一度、河崎に住んでいる方と河崎を訪れていただいた方々との交流の場でもある。

毎月月替わりの「ふるまい」は旬の食材を使った商人汁など、ふるまいレディースの方々がご準備いただく(300食ぐらい)。1月のかす汁をはじめ、野菜たくさんの商人汁や夏にはかき氷など、お越しいただいた皆様にふるまいます。

だいどこ市の出店は、手作り弁当や干物、海産物、野菜、果物などの地元食材などや陶器、手づくり木工品や雑貨など暮らしの中に必要な品々が並びます。
また、商人蔵での「手づくり体験」は毎月様々な手づくり小物づくりを子どもから大人の方まで一緒に参加いただき体験できます。

平成27年11月22日には「伊勢のだいどこ市150回記念」を開催

だいどこ市

地域コミュニティの創出

【河崎・蔵くら寄席】
平成11年11月14日に第1回を開催し、現在まで年2回を恒例に開催している。 演者は「寝床の会」の皆さん。伊勢河崎商人館角吾座で毎年5月と11月に開催し、現在59回。

蔵くら寄席

【絵本を楽しむ会】
小さなお子さんと地域の方との交流の場。毎月第2金曜に伊勢河崎商人館の和室で開催。 「河崎おはなし会」の皆さんがボランティアで絵本や手あそび、語りなどを行う。

絵本を楽しむ会

【商人蔵手づくり体験】
「ちくちく教室」(写真左)・「エコフラワー教室」(写真右)と月1~2回定期に手づくり作品教室として開催。

ちくちく教室 エコフラワー教室

伊勢河崎フィルム

現在準備中です。

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